研究課題/領域番号 |
26893163
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
庄司 剛士 広島大学, 大学病院, 病院助教 (50736569)
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研究期間 (年度) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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キーワード | 大腿骨頭壊死症 / microRNA / エクソソーム / 骨髄単核球 / 血管新生 |
研究実績の概要 |
平成26年度では1) ステロイド性骨壊死患者由来の骨髄単核球の性質を明らかにすること、2) 単核球へのmicroRNA(miRNA)導入による遊走能およびサイトカインと分泌miRNAの機能評価、また3)ラットステロイド性骨壊死モデルを用いてmiRNA導入骨髄単核球による壊死骨の再生効果を明らかにするため以下の研究を行った。 1.ステロイド性大腿骨頭壊死症手術患者、また非大腿骨頭壊死症手術患者(変形性股関節症)の症例より、手術時に摘出した大腿骨頭を標本とし、大腿骨頭より採取した骨髄よりRNAを精製し、マイクロアレー法を用いたmiRNA, メッセンジャーRNAの網羅的発現解析を行い、発現プロファイルを解析した。 2.血管形成促進することが知られているmiRNA-210や骨分化制御の報告のあるmiRNA-222を用いて、間葉系幹細胞(MSC)へリポフェクション法により過剰導入した合成miRNAのエクソソームを、培養筋芽細胞等の他の培養細胞に添加することでmiRNAを細胞内へ導入させ、また濃度依存的に増加させることができることを確認した。また得られたmiRNAはin vitro実験系において、血管新生能を促進させ、ボイデンチャンバー法による解析から細胞遊走能など細胞機能を制御できることを確認した。 3.ラットステロイド性骨壊死症モデルの作成方法確立のため、先に報告されたモデルに準じ、Lipopolysaccharide、methylprednisoloneを用いたステロイド性骨壊死モデルを作成後、2週、4週で骨壊死発生率の評価を行った。現在のところ明らかな壊死領域を認めるモデルを作成できるまでには至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MSCからmiRNAを含むエクソソームが分泌され、そして、特定のmiRNAを細胞より分泌させることができ、容易に他細胞へ導入できることを確認した。また大腿骨頭壊死症患者由来の大腿骨頭における骨髄でのmiRNA, mRNAの発現プロファイルを解析した。現在、先に報告された方法に準じ、ラットステロイド性骨壊死症モデルの作成並びに骨壊死発生率の評価を行っているが、壊死発生率が一定ではなく改良を試みている。
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今後の研究の推進方策 |
安定したラットステロイド性大腿骨頭壊死モデルの作成方法、評価方法を確立し、先に解析したmiRNAを導入した骨髄単核球の壊死部への移植を行い、移植供御の血管再生、骨再生の評価を行う。
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