研究課題
THBS1による血管新生阻害作用の解明を目的とし、HDAC阻害によるTHBS1促進と放射線増感作用について検討を行った。【方法】ヒト大腸癌細胞株(HT-29)にHDAC阻害剤(VPA、TSA)と放射線照射(4Gy/day)を行い、HDAC阻害剤と放射線治療併用によるTHBS1発現と血管新生関連、Autophagy関連因子、微小環境関連遺伝子の変化を検討した。【結果】1. Cellular viability (MTT assay): CTLに比しRT単独、HDAC阻害剤(VPA、TSA)投与により有意に低下し、さらにRTとHDAC阻害剤併用(VPA、TSA)によりさらに有意に低下したが、相加相乗効果まではいたらなかった。2. RT-PCR: 低酸素関連遺伝子のHIF-1 mRNAはTSA投与で発現が有意に低下したが、RT併用による変化は認めなかった。血管新生関連遺伝子VEGF mRNA発現はCTL、RT単独、TSA単独に比しTSA+RT併用で有意に低下した。Apoptosis 関連因子Caspase3 mRNA、 Autophagy関連因子Beclin3 mRNAは、CTLに比しRT単独で増加し、さらにTSA+RT併用で増加した。CD47 mRNA、LC3 mRNA発現に関しては各群で有意差は認められなかった。【結語】HDAC阻害により、血管新生抑制、Apoptosis、Autophagyの誘導により放射線増感作用が認められた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Anticancer Res
巻: 35(4) ページ: 2071-2076