本研究は、意識障害や高次脳機能障害のある急性期脳卒中患者の、心理・経験・体験・情動の変化を明らかにすることを目的とした。脳卒中発症24時間以内から、研究者が看護実践を行ないながら参加観察し、対象者の言動や表情の変化を経時的にデータ収集し、病態や症状の変化と、その時の出来事を組み合わせて分析を行なった。 意識障害から回復してきた時期は、自身に起こっていることの状況認識が不十分であり、繰り返しの情報提供が必要であった。また、日常生活動作訓練の中で自身の障害を自覚して落ち込むが、具体的な目標に向けて取りくみ始める時期でもあった。患者の心理状態を的確に把握した看護支援の必要性が示唆された。
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