てんかんでの脳波異常(てんかん発射)が、自閉症スペクトラム症等の発達障害における認知機能に影響を与える生理学的なメカニズムを明らかにするために、電気活動を観察する脳波と、脳血流変化を計測する近赤外線スペクトロスコピーの同時測定を行った。てんかん発射により、酸素化ヘモグロビンの増加と脱酸素化ヘモグロビンの減少が引き起こされることが確認でき、脳の酸素代謝・エネルギー代謝に影響を与えていることが示唆された。さらに、てんかん発射が発生する部位により脳血流変化パターンが異なることが示された。この研究は、てんかん発射と発達障害の認知機能の関連を今後明らかにするための基盤となるであろう。
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