本研究は、離島の基幹病院を受診した高齢者を対象に、初診時の認知機能の評価と、家族形態、ソーシャルネットワーク・ソーシャルサポート等、心理社会的背景を調査することにより、高齢化が著しく、医療資源が限られた離島地域での認知症患者の分布と、受療行動および受診に至るまでの期間に与える要因を複合的に明らかにすることを目的として実施した。 基幹病院精神科を受診した認知症疑いの全患者を対象に調査を行った結果、年齢、性別、自宅居住の他、ご近所付合いが早期受診と関連することが示唆された。本研究成果は離島地域に住む高齢者における、早期発見・早期治療を含めた認知症対策を検討する上での重要な基礎資料となると考えられる。
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