研究課題
本研究は、腎集合尿細管間在細胞において、酸塩基平衡関連遺伝子の発現調節機構を解明し、酸塩基平衡能を調節する新たな経路を同定することが目的である。本年度は、間在細胞由来細胞株を用いたTranscription Start Site-Sequencingの詳細な解析を行い、酸刺激またはアルドステロン刺激後に発現変動する遺伝子群を網羅的に検討した。その結果酸刺激においては200遺伝子の転写活性と35遺伝子の転写抑制を、またアルドステロン刺激においては32遺伝子の転写活性と15遺伝子の転写抑制を見出した。その後、酸刺激にて発現増加する遺伝子群についてGene Ontology (GO)解析を行い、Phosphate metabolic processやProtein catabolic processに属する遺伝子群の発現が増加することが明らかとなった。Protein catabolic processについては特にUbiquitin proteasome系の活性化を示唆する遺伝子群を多く含んでいた。そこで、細胞をproteasome阻害薬存在化に酸刺激し、whole cell lysateをWestern blot法により解析したところ、酸刺激によりubiquitin化が亢進することが明らかとなった。一方、酸刺激誘導遺伝子群のプロモーター領域のモチーフ解析を進めた結果、EGR1、SP1のモチーフが優位に豊富であり、これらの転写因子が酸刺激誘導遺伝子群の発現促進に関与する可能性が示唆された。またEGR1は酸刺激後数時間mRNAの発現が増加することを確認した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 5件)
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