コケイン症候群は紫外線に対するDNA損傷の修復因子に変異を伴う常染色体劣性遺伝病である。その症状は多岐に渡り、出生時に発症している重症例の存在も鑑みて、DNA修復機構の欠損だけでは全ての症状を説明する事が困難な状態である。そこでコケイン症候群原因遺伝子の別の機能として、細胞分化における転写調節機能の有無を、脂肪細胞の分化系を用いて検討した。CRISPR-Cas9によってコケイン症候群遺伝子の一つであるErcc6遺伝子ノックアウトした3T3-L1細胞では、分化誘導因子に対する反応に異常があることを見いだした。
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