本研究では、福島第一原発事故後の避難区域住民を対象とし、循環器疾患発症情報を効率的に収集、登録するシステムを開発する。避難区域市町村と協力し、死亡小票、救急搬送録、県民健康調査、地域アンケート情報等を用いた調査と比較し、本研究によるシステムを用いた発症登録の網羅性と精度を検証することを目的とした。 循環器疾患発症登録に必要な情報を精査し、データの標準化を図るため、全国で行われている循環器疾患発症登録について実態を調査し、標準的な発症登録調査票を設計を行った。脳卒中データバンク、滋賀県脳卒中発症登録事業など、既に行われている発症登録事業を参考にして、滋賀県立医科大学や大阪がん循環器病予防センターなど外部機関との協力を得ながら計画を進めた。 データベースサーバによる循環器疾患発症登録システムのプロトタイプ版を開発をおこなった。プラットフォームにファイルメーカーを用いることで、比較的容易に個人情報登録及び、発症登録が実施できる機能を有するシステムが開発できた。 本研究により開発されたシステムを利用し収集された発症情報と、福島県避難区域市町村の協力を得て、死亡登録、救急搬送録、県民健康調査、地域アンケート情報等と比較し、システムを用いた発症登録の網羅性と精度の検証については引き続き継続して進めている。
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