前年度は、福島県避難区域13市町村住民及び県内の非避難区域住民の内、40歳以上の特定健診受診者・後期高齢者健診受診者男女を対象とし、震災前後の健康診査における肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常等の循環器危険因子及び飲酒、喫煙、身体活動等の生活習慣の推移を検討することにより、震災及び放射線事故後の避難の循環器危険因子及び生活習慣への影響を検討するとともに、震災後の「こころの健康と生活習慣に関する質問紙調査」との関連を検討することにより、震災前後の健診成績及び生活習慣の変化に心理社会的ストレスが及ぼす影響について検討した。今のところは、避難住民における、住まい状況と野菜果物および乳製品の摂取と関連あり、津波の体験、家屋の被害状況と飲酒状況とPTSD症状との関連もあることは判明した。 さらに、非避難地域の一部(只見町、南会津町)における健康度のアンケート調査表も作成し、今は調査を行なったところです。今年度の予定は、これら心理社会的因子と震災後の健診成績の変化との関連を前向き疫学研究によって明らかにする。
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