近年、哺乳動物の精子の機能的成熟に於けるepididymosome(EPS)の役割が注目されている。本研究では、EPSによって精子に供給されるアルドース還元酵素(AR)に着目してcapacitation(CPN)のメカニズムを解析し、ARが細胞質型NADP+イソクエン酸脱水素酵素と共にCPNに伴ってチロシンリン酸化されて、前者は活性上昇、後者は活性低下を来す事により精子内ROSレベルを調節してCPNを担っている事を明らかにした。また、EPSによる機能タンパク質の精子への供給不全が精子成熟不全の一因と考え、人工EPSによる精子へのタンパク質供給システムの開発を試みた。
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