研究課題
本研究では、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のショウジョウバエモデルを用いてALSの原因遺伝子および関連分子の相互作用の解明と治療標的分子の探索とを可能にする研究基盤を確立し、臨床応用への展開を目指すことを目的としている。今年度は、1)昨年度に引き続き、Fused in sarcoma(FUS)のショウジョウバエホモログであるCabeza(Caz)のノックダウンモデル及びTAR DNA-binding protein43(TDP-43)のショウジョウバエホモログであるTBPHのノックダウンモデルを用いて、複眼形態異常(rough eye表現型)を指標とした遺伝学的スクリーニングによるFUS及びTDP-43標的候補遺伝子のゲノムワイド探索を行った。この遺伝スクリーニングにより関連候補遺伝子を複数同定し神経系における表現型を解析しているため、これに関しては今後論文にまとめて投稿する予定である。2)TBPHのノックダウンが誘導する複眼及び神経系における表現型を解析し、今後同定した遺伝学的相互作用分子と合わせて論文にまとめて投稿する予定である。3)神経変性疾患であるCMTの原因遺伝子でありALSの危険因子であるFIG4をノックダウンしたショウジョウバエの機能解析を行った。複眼の形態異常、運動能力低下、寿命低下、神経筋接合部におけるsynaptic branchの短縮、synaptic boutonの減少が生じることを明らかにした。今後ALSに共通する相互作用分子を同定しそのメカニズムを明らかにすることによって、新たな治療法の開発につながることが期待される。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Experimental neurology
巻: 277 ページ: 86-95
10.1016/j.expneurol.2015.12.011.