腸管上皮のXbp1欠損が小胞体(ER)ストレスを誘発し、マウスにおいて自然発症腸炎が生じることが知られている。本研究ではERストレスに伴って誘導されるCHOPが、NKG2DのマウスにおけるリガンドであるMULT1の発現を誘導することを証明した。また、この誘導がNKG2Dを介して、NK細胞の細胞傷害活性を亢進させることを証明した。 ヒト大腸上皮細胞株を用いた実験から、ERストレスがNKG2DのヒトにおけるリガンドであるULBP1 ・5・6の発現を誘導することが明らかとなった。更に、クローン病患者小腸の免疫染色では、パネート細胞を中心とした腸管上皮でULBP5の発現が亢進している傾向を認めた。
|