本研究では、我が国において1年間に約2万人が新たに発症し、約2千人が死亡する結核について、社会的不利な状況にある生活困窮者の結核罹患率及び治療継続環境の改善を図るため、対応困難な結核患者支援の実態を明らかにし、前向きに結核治療に取り組める保健指導方法を構築することを目的とする。平成26年度は対応困難事例に対する保健師の保健指導について把握するため下記のように進めた。
1.社会的不利な状況にある生活困窮者の支援を検討するため、結核患者の特性及び服薬中断リスクに関しての文献収集及び文献検討を行った。また、日本結核病学会、日本地域看護学会等に参加し、結核患者支援困難事例への支援について理解を深めた。 2.文献収集、対応困難事例のデータ収集し、面接調査を実施する保健師及び調査項目検討し、半構造化面接調査の準備を行った。 3.大阪府立大学看護学研究倫理委員会の審査を経て、対応困難な結核患者支援経験がある保健所保健師10名を対象にインタビュー調査(調査Ⅰ)を実施した。
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