• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

口腔ガン誘発機械性痛覚過敏におけるTRPA1感作メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 26893243
研究機関九州歯科大学

研究代表者

小野 堅太郎  九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (40316154)

研究期間 (年度) 2014-08-29 – 2016-03-31
キーワードTRPA1 / P2X3 / ATP / ガン性疼痛 / 接触痛
研究実績の概要

頭頚部ガン患者の多くは、ガン組織に起因する治療困難な疼痛を発症する。特に、食物などが触れるときに発生する接触痛が重篤であることが指摘されている。これまでの研究にて、ガン組織から放出されるアデノシン三リン酸(ATP)が感覚神経末端を刺激し、接触痛を起こすことが明らかにされていた。しかしながら、機械刺激を受容する分子がなんであるかは同定されていない。そこで本研究では、機械受容侵害受容体の1つであるTRPA1チャネルに注目し、ATP受容との関連性について検討した。
ヒト扁平上皮ガン細胞HSC-3細胞の培養上澄み液をイソフルレン麻酔下でマウス鼻毛部に投与し、麻酔から回復した1時間後にvon Frey毛を用いて機械逃避閾値を測定した。ガン細胞上澄み液投与にて機械逃避閾値は有意に低下し、ATP受容体P2X3チャネル抑制薬A-317491の共投与にて拮抗された。さらに、TRPA1チャネル拮抗薬HC-030031の共投与にても拮抗された。ガン細胞上澄み液と同様に、非分解性ATPであるαβメチルATPのマウス鼻毛部への投与は機械逃避閾値を有意に低下させ、A-317491もしくはHC-030031の共投与にて拮抗された。次に、マウス三叉神経節ニューロンにおけるカルシウムイメージングを行った。多くのニューロンがガン細胞上澄み液により細胞内カルシウム濃度が上昇し、A-317491にて抑制された。また、TRPA1チャネル作用薬アリルイソチオシネート(AITC)による細胞内カルシウム濃度上昇は、ガン細胞上澄み液後では促進し、この促進反応はA-317491にて抑制された。TRPV1チャネル作用薬カプサイシンでは、ガン細胞上澄み液による促進反応はなかった。蛍光免疫二重染色法にてマウス三叉神経節ニューロンの多くはP2X3とTRPA1を共発現していた。
これらの結果より、ガンから放出されるATPによるP2X3活性化が間接的にTRPA1を機械的感作することで接触痛が起きる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] New York University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      New York University
  • [雑誌論文] Distinct TRPV1- and TRPA1-based mechanisms underlying enhancement of oral ulcerative mucositis-induced pain by 5-fluorouracil.2016

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi K, Ono K, Hitomi S, Ito M, Nodai T, Goto T, Harano N, Watanabe S, Inoue H, Miyano K, Uezono Y, Matoba M, Inenaga K
    • 雑誌名

      Pain

      巻: 157 ページ: 1004-1020

    • DOI

      doi: 10.1097/j.pain.0000000000000498.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 癌性疼痛、そして口内炎疼痛2015

    • 著者名/発表者名
      小野堅太郎、人見涼露、稲永清敏
    • 雑誌名

      日本歯科評論

      巻: 75 ページ: 129-135

  • [学会発表] 抗癌薬5-フルオロウラシル投与後の口内炎誘発疼痛にTRPV1とTRPA1が関与する2015

    • 著者名/発表者名
      山口喜一郎, 小野堅太郎, 人見涼露, 野代知孝, 伊藤美紗, 左合徹平, 原野望, 稲永清敏
    • 学会等名
      三叉神経領域の感覚-運動統合機能研究会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2015-11-29 – 2015-11-29

URL: 

公開日: 2017-01-06   更新日: 2022-02-02  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi