本研究では複数の成長因子の効果を効率よく作用させるためにMSCへ遺伝子導入し、骨芽細胞分化能を評価した。またTGF-βならびにVEGFにも着目し、MSCの骨芽細胞分化能に及ぼす影響について検証した。その結果、ベクター濃度依存的に骨芽細胞へと有意に分化促進させた。またTGF-βならびにVEGFをMSCへ同時刺激すると、細胞増殖能は低下し、骨芽細胞分化マーカー(ALP、BSP、OCN)の発現が有意に促進した。またERKのリン酸化が増強されることも明らかとなった。これらの結果より遺伝子導入ならびに複数成長因子によりMSCは有意に骨芽細胞へと分化し、骨再生治療に応用できる可能性が示唆された。
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