間葉系幹細胞(MSC)由来ペプチドSCRG1による破骨細胞分化抑制効果や炎症性骨吸収に対する作用メカニズムについて検証した。組換えマウスSCRG1(rmSCRG1)を破骨細胞前駆細胞Raw264.7に作用させ、細胞内シグナル伝達経路や遺伝子発現を検証した。その結果、rmSCRG1はERK1/2のリン酸化を有意に促進した。また、mrSCRG1はLPS誘導性ケモカインCCL22の発現を有意に抑制するとともにケモカイン受容体CCR7の発現を促進した。したがって、炎症部位に集積したMSCから分泌されたSCRG1はマクロファージに作用して炎症ならびにそれに引き続く炎症性骨吸収を抑制することが示唆された。
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