研究実績の概要 |
【本研究の目的】脳卒中患者の日常生活活動(ADL)の自立度と心身機能の関連性を明らかにする。またADLと強く関連する機能について自立レベル、監視レベル、軽介助レベルなどADLが各自立度に至るためには、その機能がどの程度必要かという定量的指標(カットオフ値)を算出する。 【今年度の計画】①データ収集、②「できるADL自立度」に関連する要因、およびカットオフ値を算出する。分析は多変量解析およびROC解析を用いる。 【研究の進捗状況】①データ収集を予定通りに遂行し、データベースを作成した。②予定を変更し、「できるADL自立度」の分析に先んじて「しているADL自立度」と心身機能の関連性について分析を行った。分析の結果、軽症脳卒中患者では腹筋力が一部のADL自立度に影響することが明らかとなった。一方、脳卒中の重症度を多変量解析で調整した場合には、麻痺側上肢や体幹機能よりも、麻痺側下肢と非麻痺側筋力がADLに強く影響を与えることを明らかになった。これらの知見は脳卒中患者のADL自立度向上を目的としたリハビリテーションプログラムを検討する際の資料になることが期待される。 【実績】論文1編 1)Fujita T, et al: Contribution of abdominal muscle strength for various activities of daily living in stroke patients with mild paralysis. Journal of Physical Therapy Science. 27(3): 815-818, 2015
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