研究課題
(1)ASD、発達障害におけるaCGH解析を継続し、疾患との関連が示唆されるCNVを複数検出している。その一つとして、発達障害(学習障害)、母斑、網膜色素沈着、白内障を有する児において18q12.3 (nt. 39554147–39661206) の欠失を検出した。欠失部はPIK3C3のExon5~23に該当していた。家族解析で母斑を有する弟、無症状の母にも同欠失を確認した。PIK3C3の発現をWestern Blottingで解析した結果、患児、弟、母は、コントロールの約半分に低下していた。類縁遺伝子であるPIK3CA (class I of PIKs)は母斑症の原因遺伝子である。また、PIK3C3のノックアウトマウスが白内障、小眼症を発症すると報告されており、さらに、PIK3C3欠失患者で知的障害、小脳の片側の無形成が報告されている。よって、PIK3C3は脳の発達にかかわると考えられ、機能解析を行った。胎生14.5日のマウス脳に子宮内エレクトロポレーションによりPik3c3の発現を抑制した結果、発達期の大脳皮質の神経細胞の移動障害およびアクソンの伸長障害を認めた。これらの結果から、PIK3C3は発達障害、母斑、白内障の原因遺伝子と考えられた。また、この家系の全エクソーム解析で他の病因遺伝子は検出されず、弟は現時点では母斑のみ、母が正常であることは、浸透率による表現形の違いと推定される。(2)Circadian関連遺伝子の解析既に患者での変異を検出しているTimelessのノックアウトマウスに対し、Circadianリズム、形態、行動の解析を行っている。これまでの解析結果では、ホモのノックアウトは生まれず、胎生致死であると考えられた。また、ヘテロの欠失マウスで、環境変化に対する行動の変化と考えられる結果が得られているが、今後、詳細に解析して行く予定である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2915 2015
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