①微細欠失を同定した2症例の切断点同定:切断点同定が不可能な1例について、想定領域周囲にプローブを密に設定したカスタムアレイを作成し、アレイCGH解析を行った。カスタムアレイCGHの結果、切断領域を、58.5kb-61.0kbまで絞り込むことに成功した。再度、この結果を参考に、プライマーを設計し、切断点同定を試みる予定である。 ②微細欠失により産生されるmRNAの配列確認:患者と対照由来のリンパ芽球から抽出したmRNAの配列確認を試みた。昨年度(平成26年度)は該当領域をPCRで増幅できず、配列を確認できなかった。今年度(平成27年度)、再度プライマーを数か所に作成し、酵素および酵素反応条件を複数検討した。結果、該当箇所をPCRで増幅することに成功した。シークエンス反応で配列を確認した結果、微細欠失を有する2症例ともに同じエクソンを欠失した。尚、対照においては同様のエクソン欠失を検出しなかった。 ③野生型遺伝子A発現ベクターを用いた機能解析:野生型遺伝子A発現ベクターとルシフェラーゼ発現ベクター(TCF/LEFレポーター)をLipofectamine2000で培養細胞(HEK293など)に導入し、ヒトWnt3aとヒトRSPO1を培養液中に添加後、ONE-GLO reagentを添加し、蛍光強度を定量した。結果、野生型では空ベクターと比較し、蛍光強度(βカテニンシグナル)は著しく低下した。
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