涙腺は眼表面に涙液を分泌し、眼表面を保護する。現状の涙腺機能不全に対する治療は、人工涙液による対症療法であり、重症瘢痕性角結膜疾患において重度に障害された涙腺機能の再建のために、涙腺再生医療の実現が求められている。本研究では、幹細胞からの転写因子発現制御による涙腺上皮細胞の誘導を目指して、涙腺器官形成能を持つマウス涙腺原基上皮細胞の細胞特性を明らかとした。さらに、マウスにおいて成体涙腺や涙腺に類似した器官を用いて網羅的遺伝子解析を行うことにより、涙腺発生過程において涙腺原基上皮特異的に発現する遺伝子群を解析し、幹細胞からの涙腺上皮誘導に重要と考えられる転写因子群を同定した。
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