研究課題
本研究はパーキンソン病病態メカニズムにおけるオートファジー異常の重要性をiPS細胞から誘導した患者神経細胞で証明することを目的とする。前年度はPARK9-iPS細胞由来神経細胞では明らかなオートファジー異常は確認できず、より疾患特異性を上げるため、ドパミン神経への高効率な誘導法を開発した。今年度は引き続き、樹立したPARK9-iPS細胞を独自に開発した手法でドパミン神経に高効率(50-70%程度)に誘導することに成功した。ドパミン神経に誘導することにより、これまで一般の神経では見ることができなかったPARK9-ドパミン神経におけるリソソームpHの上昇、それによるオートファジー-リソソーム系でのタンパク質分解異常を検出することに成功した。さらにこれらの表現型を、96well dishでハイスループットに分化誘導から異常検出までを行うシステムを開発した。また、ドパミン神経誘導効率を高めたことによってPARK2-ドパミン神経におけるミトコンドリアのマイトファジー異常を検出し、同様に96well dishでハイスループットに検出する手法も確立した。本研究によってパーキンソン病病態発症におけるオートファジーの重要性を実際のヒト患者ドパミン神経でも証明することに成功した。さらにハイスループット表現型検出システムも開発したことにより、薬剤スクリーニングによって新たな治療薬の開発や、実際の患者ドパミン神経細胞におけるオートファジー異常の機序解明にも繋がる知見を得られるものと考える。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biochem Biophys Res Commun
巻: 471 ページ: 109-16
10.1016/j.bbrc.2016.01.171
日本臨床増刊号
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