頬脂肪体由来脂肪幹細胞を使用し、NHA添加とLIPUS照射を併用し、優位な骨増生を確認するための実験を行った。 すでに実験データのでているin vitroでの骨形成関連遺伝子発現および骨分化マーカーの定量的解析に加え、細胞間でのシグナル伝達を解析する必要があると考え、タンパク定量を行った。 さらにin vivo、すなわちヌードマウス骨欠損モデルを使用し、ヒト頬脂肪体由来脂肪幹細胞とNHA添加に加え、LIPUSの照射も行うことにより、より効率的に骨の再生を誘導する研究を行った。ヌードマウスの頭蓋冠に直径5mm程度の骨欠損を作製する骨欠損モデルを使用し、in vivoでの脂肪幹細胞及びNHA、LIPUS併用効果を検討した。実験群は、脂肪幹細胞、NHA添加、LIPUS照射それぞれ単独群と脂肪幹細胞+NHA添加群、脂肪幹細胞+LIPUS照射群、脂肪幹細胞+NHA添加+LIPUS照射群のバリエーションに分けた。分化誘導培地で誘導された脂肪幹細胞ペレット(15×104/10cmdish)と40nm以下のNHA150ugを新田ゼラチン社製のCellmatrixやアテロコラーゲンと混合し、骨欠損部に移植した。その後、LIPUS照射を、マウスが照射中に動いてしまわないように、イソフルレンによる吸入麻酔を施行しながら60mW/cm2、100Hz、10分/日の条件で行った。2週間後、ヘマトキシリン・エオジン染色と免疫組織学染色を行い、病理組織学的評価を行った。免疫組織学的染色で使用した抗体はANTI-HUMANとANTI-MOUSEの骨のマーカーであるオステオカルシンを使用した。
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