成体P0-Cre/CAG-CAT-EGFPマウスの顎下腺および鼻甲介から神経堤由来細胞を分離し、アスコルビン酸、βーグリセロリン酸、デキサメタゾン含有の骨芽細胞分化誘導培地を用いて、骨芽細胞へ分化誘導を行った。分化誘導した細胞における骨芽細胞誘導・石灰化能を、アルカリホスファターゼ活性染色、アリザリンレッド染色、Real-time PCR法等を用いて評価した。また、分離した神経堤由来細胞からインスリン、ハイドロコルチゾン、インドメタシン、IBMX含有の脂肪細胞分化誘導培地を用いて、脂肪細胞に分化誘導することにも成功した。 5週齢の成体ICR系マウスの側頭骨に内径4.0mmのトレフィンバーを用いて、部分的な欠損を施した頭蓋骨部分欠損モデルマウスを作製した。成体P0-Cre/CAG-CAT-EGFPマウスの鼻甲介から分離した神経堤由来細胞を播種させた、アテロコラーゲンを使用したスキャフォールドを、頭蓋欠損部に填入し、填入後1週間と2週間経過したところで、μCTの撮影を行い、骨形成能の評価を行った。何も填入しない群とスキャフォールドのみを填入する群を対照群として、骨形成能の比較、検討を行った。 μCT解析の結果から、対照群として用いた群と比較し、細胞を播種させた、アテロコラーゲンを填入した群では、有意に骨形成能が認められ、頭蓋欠損部の縮小が確認できた。
|