研究実績の概要 |
本研究では、歯髄炎に伴う異所性異常疼痛の発症機構を解明する目的で、歯髄炎モデルラットを作製し、行動解析、三叉神経節細胞の活動性変化および各種物質の合成変化に関して、三叉神経節細胞間の機能連関という観点から免疫組織学手法および生化学的手法を用いて検討することを計画した。これまでの研究として、CFA歯髄投与後の三叉神経節内において、多くのTRPV1陽性細胞およびHSP70陽性細胞を認めた。さらにTLR4阻害薬の三叉神経節内連続投与におり舌の熱および機械刺激に対する頭部引っ込め反射閾値の低下が抑制された。また、CFA歯髄投与後、舌へのTRPV1アンタゴニスト投与により、舌の熱刺激に対する頭部引っ込め反射閾値の低下が抑制された。 本年度の研究としては、あらかじめ頭頂部よりカニューレを刺入し三叉神経節内に留置し、NF-kB阻害薬を三叉神経節内に連続投与し、CFA歯髄投与後,経日的に浅麻酔下にて機械的および熱刺激に対する逃避閾値の計測を行い、各種阻害薬の三叉神経節内連続投与により機械または熱痛覚に変化がおこるかを検索したところ、熱および機械刺激に対する頭部引っ込め反射閾値の低下が抑制された。また、あらかじめ逆行性トレーサーであるFGを舌に投与し、頭頂部よりカニューレを刺入し三叉神経節内に留置し、TLR4阻害薬, NF-kB阻害薬を三叉神経節内に連続投与したラットに対し、CFA歯髄投与後、経日的に灌流固定を行い、三叉神経節を摘出し、三叉神経節のFG陽性TRPV1陽性神経細胞数を免疫組織学的に解析したところ、FG陽性TRPV1陽性細胞数は減少傾向を認めた。
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