研究実績の概要 |
平成27年度では、in vivoでラットを用いた実験的歯根吸収モデルにてアポトーシスの発現を確認するためcaspase3, 8の発現について検討をおこなったところ強い矯正力を負荷してから3日目で圧迫側のセメント質部にcaspase8の発現の増加を認めた。また5日目で歯根吸収が生じ圧迫側のセメント質にcaspase3の発現の増加を認めた。このことから圧迫側のセメント質でアポトーシスが発現していることが考えられる。 次にin vitroではセメント芽細胞の培養を行いcompression forceを強い矯正力として細胞に負荷し、caspase3, 8の遺伝子発現量について検討を行ったところcaspase3, 8ともに矯正力を負荷して3時間で発現がコントロールと比較して増加しはじめ, 6時間でピークに達した。このことから強い矯正力を負荷した際にはアポトーシスが生じることが考えられる。 以上のことから強い矯正力を負荷した際にアポトーシスが発現することが明らかになった。今後は引き続き, アポトーシスと歯根吸収の関連についてCICEB、 PYCARD、BAK-1、TNFRSFおよび BCL-2の発現をin vivo, in vitroともに検討していくのとともにin vitroで破骨細胞の分化実験等も行っていく予定である。
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