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2014 年度 実績報告書

白血病細胞の増殖を制御するシグナル分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26893292
研究機関東京工科大学

研究代表者

奥橋 佑基  東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (90734715)

研究期間 (年度) 2014-08-29 – 2016-03-31
キーワードシグナル伝達 / 白血病 / 発現制御
研究実績の概要

Hedgehogシグナル(Hh)とWntシグナル,Notchシグナルはがん細胞の増殖に関与していることが知られている。我々はこれまでにこれらのシグナル阻害剤が白血病の増殖を抑制することを報告したが、それぞれのシグナルがどのように関与しているのか具体的なメカニズムはまだ明らかになっていない。本研究では、Hhシグナル関連遺伝子のGLI-1 siRNAとWntシグナル関連遺伝子のCTNNB1 siRNA を用いて、Hh、Wnt、Notch、mTORシグナルへの効果とその関係性を明らかにすることにより、白血病細胞の分子病態の一端を解明することを目的としている。
平成26年度は白血病幹細胞の分子病態の解明とその検査法の開発についての研究を実施した。白血病細胞株を対象に検討し、siRNAを細胞に導入してsiRNAが目的の遺伝子の発現をノックダウンさせていることを確認し、細胞株毎のsiRNA導入条件を確立させることができた。その後、白血病幹細胞への増殖効果と遺伝子、タンパク発現量の変化を解析し、シグナルの相互作用の有無を評価した。
これまでの研究から、一部の白血病細胞においてWnt、Hh、Notch、mTORシグナル間に相互作用が存在する可能性が示唆された。白血病細胞の増殖に関与するシグナル伝達系の分子機序が解明されれば、症例ごとの白血病幹細胞の特性を検出する分子学的検査法の開発や、分子標的薬の選択に役立つことが期待され、今後更なる検討をしていく所存である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画通り、研究は進展している。一部の白血病細胞株ではシグナル間に相互作用の存在が示唆される新たな知見結果が得られた。siRNAを白血病細胞に導入してシグナルの相互作用の分子メカニズムを明らかにする研究は本研究が初であり、今後更なる検討を実施する予定である。

今後の研究の推進方策

研究計画は順調に進行しているので、H26年度に得られた知見を基に、Notch、Wnt、Hedgehogシグナル関連遺伝子のsiRNAを混合し、更なる検討を行う。
siRNAを単独で導入したものと、siRNAを混合して導入したものを比較し、細胞増殖に相乗効果のような変化が認められるか調べる。さらに、目的とするシグナル以外の遺伝子とタンパクへの作用を解析することで、シグナル間で相互作用がないか解析する。
以上の研究から、白血病とシグナルの関与を総括し、Notch、Wnt、Hedgehogシグナル伝達系の分子機序の解析と白血病幹細胞の分子病態の一端を解明し、研究成果を英語論文および学会で発表する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Effects of GLI1 and CTNNB1 Knockdown on Notch Signaling and Proliferation of AML and T-ALL Cell Lines.2014

    • 著者名/発表者名
      Yuki Okuhashi, Yusuke Takahashi, Mika Ohtaka, Erika Shiratori, Shijun O, Mai Itoh and Tohda Shuji
    • 学会等名
      56th ASH Annual Meeting and Exposition.
    • 発表場所
      Moscone Center, SanFrancisco, CA (USA)
    • 年月日
      2014-12-06 – 2014-12-09
  • [学会発表] Wnt シグナル, Hedgehog シグナル関連遺伝子の ノックダウンが及ぼす白血病への効果2014

    • 著者名/発表者名
      奥橋 佑基、高橋 祐介、伊藤 真以、東田 修二
    • 学会等名
      第61回日本臨床検査医学会学術集会
    • 発表場所
      福岡国際会議場 (福岡県福岡市)
    • 年月日
      2014-11-22 – 2014-11-25

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公開日: 2016-06-01  

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