研究課題/領域番号 |
26893293
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
川上 明希 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (00734021)
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研究期間 (年度) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 服薬アドヒアランス |
研究実績の概要 |
本研究は,若年性潰瘍性大腸炎(UC)患者を対象に,既存の成人用に開発された服薬アドヒアランス向上のための支援プログラムを洗練させ,プログラムの実施可能性および効果の検討をすることを目的に,以下を2年間で実施する計画を立案した. 1.既存のプログラムの若年患者への適応可能性について,文献検討,専門家へのインタビューにて検討し,必要に応じて修正する. 2.プログラムの効果検討の際に使用するアドヒアランス測定尺度を検討する. 3.前後比較による小規模介入研究を実施し,実施可能性,有用性を検討する. 平成26年度は成人用プログラムの一部について国際学会および学術雑誌にて成果の公表を行い,専門家から若年性適応に向けての意見を得ることができた.文献検討においては,若年者特有のアドヒアランス不良に関わる因子として,親のサポート,親子関係などが挙げられこれらを考慮した支援プログラムに洗練させる必要性が示唆された.また,アウトカムとなるアドヒアランスについては測定方法にゴールドスタンダードがないことから複数の指標を用いて評価することが推奨されているため,測定指標を検討した.その一つとしてMorisky Medication Adherence Scale-8日本語版を使用することとし,原著者に許可を得て妥当性の検討を行った.その結果,妥当性がおおむね確保されたことからアウトカム測定尺度の一つとして使用可能と判断し,有効性検討の際に使用していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では,若年患者への質問紙調査によりプログラムを洗練する予定であったが,若年患者とその親に対し密接なかかわりをもつ医療従事者へのインタビューにより,詳細な特徴をつかむことができ,プログラムへ反映させることができたと考えられる.これにより,貴重な知見が得られ,本研究の臨床上の有用性も高まると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,若年UC患者主体の服薬アドヒアランス向上プログラムを開発し,予備的介入研究を実施し臨床において今後実施可能な支援を検討することが目的ある.当初は,若年UC患者のみへの介入を検討していたが,若年者は親との相互作用がアドヒアランスに大いに影響する可能性がでてきたため,親子関係とアドヒアランスの関係性について詳細に調べながらその支援策について検討してから介入研究を実施していく予定である.
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