研究実績の概要 |
今日、利用者や家族、スタッフ、地域を引きつけているマグネット訪問看護ステーション(以下、マグネットステーション)が紹介されている。しかし、マグネットステーションにおける一般化された経営管理体制については、明らかにされておらず、先例研究もほとんどない。そこで、本研究の目的は、訪問看護ステーション(以下、ステーションとする)運営に必要な経営管理に特化した教育体制のあり方を構築するために、マグネットステーションの成功要因を明らかにすることである。 調査対象者は、各都道府県の介護情報公表システムを用いて作成した岩手県、宮城県、福島県を除く訪問看護ステーション全8,226ヵ所(2015年3月時点)のうち、2分の1を無作為抽出した4,113件の訪問看護ステーション管理者とした。岩手県、宮城県、福島県の3県を除いた理由は、平成23年3月11日に起こった東日本大震災から5年が経過したが、事業所の減少や人口流出など、未だその爪痕が残っている。そのため、東日本大震災で甚大な被害を受けた被災地に設置されているステーションは、本研究の調査対象から除外とした。アンケート内容は、ステーションの属性、管理者の属性、管理運営体制に関する項目を尋ねた。 調査用紙の回収数は、372ヵ所(9.2%)であった。マグネットステーションについて明確な定義はないが、スタッフの定着が良い(看護職員数5名以上)、利用者数が多い(利用者70名以上)、質の高い看護の提供に該当するステーションを本研究におけるマグネットステーションとした。結果、実施している管理運営項目の合計得点が高いほど黒字傾向であった。
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