今後の研究の推進方策 |
平成27年度ではIL22産生細胞を誘導する腸内常在細菌の同定し、その誘導メカニズムの解明を試みる。 1.IL22産生細胞の誘導する腸内細菌の同定 : IL22産生細胞を誘導する腸内細菌を同定する。具体的には、様々な種類の細菌を別々の無菌マウスに投与し(ノトバイオートマウスを作製)、IL22産生細胞数をフローサイトメトリーにて解析する。投与する細菌として、マウスおよびヒト由来の腸内常在菌(Clostridia、セグメント細菌など)を予定している。無菌マウスと比べてIL22産生細胞数が増加した細菌を誘導細菌とする。 2.IL22産生細胞のキャラクタライズ (表面マーカー・他のサイトカイン) : 同定細菌によって誘導されるIL22産生細胞の特徴を検討する。具体的には細胞が発現している表面マーカーや転写因子などをフローサイトメトリーにて調べる(NKp46, CCR6, Tbet, Gata3)。その発現パターンから、既存に報告されている細胞サブセットと比較し、細胞機能を予測する。また、細胞のRNAシーケンスを行い、転写因子の網羅的解析も行う予定である。 3.IL22産生細胞の誘導メカニズムの探索 :IL22産生細胞の誘導機構を検討する。一つは関連するシグナル伝達を検証する。これまでにIL1およびIL23レセプターシグナルの重要性を示唆する論文が報告されている事から、IL1RおよびIL23ノックアウトマウスにおけるIL22産生細胞数を検討する。さらには、食餌成分の影響を調べる予定である。マウスに成分含量が異なる様々な種類の餌を投与し、そのIL22産生細胞を解析する事で、誘導に必要な食餌成分についても考察を行う。
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