ヒト造血幹細胞(HSC)への放射線障害をヒト間葉系幹細胞(MSC)がもたらす防護効果の視点から評価するため、新しいヒト化マウスモデルの構築を試みた。超免疫不全マウス(NOG)の骨髄内にHSCとMSCを直接共移植することにより、マウスにおけるヒトの骨髄内造血環境の再構築を行った。移植後8週目から12週目では末梢血中でのヒト造血細胞を確認することは難しかったが、全採血、及び各組織の解析結果から、既に肝臓、脾臓、骨髄などの組織において多様なヒト造血細胞、間質細胞の生着が認められた。今後、このヒト化マウスを用いることでヒトHSCに対する放射線障害をin vivoで多面的に解析できる可能性を提示した。
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