研究課題
乳幼児にRespiratory syncytial virus (RSV) が感染すると、細気管支炎や肺炎などにつながり重症化するケースがある。また成人でも免疫力が低下すると、RSV感染あるいはその後の重篤な細菌性肺炎をひき起こし死に至るケースがある。それにもかかわらず、RSVワクチンは存在しない。なぜならワクチン接種後にRSVに自然感染すると、アレルギー反応が誘導され病態の増悪を誘導するからである。以前我々は、growth arrest-specific gene 6 (Gas6)とその受容体TAMからのシグナルがアレルギー反応を制御しているということを見いだした。本研究では、Gas6/TAMシグナリングがワクチン後のRSV感染に伴う病態増悪を招いているのではないかという仮説を検証することを目的とした。ホルマリン不活化RSV(FI-RSV)により免疫したマウスにRSVを感染させ、マウスアレルギーモデルを作製した。このモデルのFI-RSV接種の前後にTAMレセプターのひとつであるAxlに対する抗体を投与すると、その後のRSV感染に伴うアレルギー反応が有意に抑制された。具体的には、抗Axl抗体を投与するとTh2サイトカインであるIL-4、IL-5、IL-13産生が抑制され、好酸球性の炎症、粘液産生の亢進が抑制された。これら結果は、RSVワクチン接種に伴うアレルギー反応にGas6/Axlシグナリングが関与することを示唆した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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