研究課題
一般研究(B)
1.培養ラットグリオーマ細胞(C6細胞)に対し、各種温度条件下にニトロソウレア系抗腫瘍剤であるACNUを作用させ、C6細胞に対する温熱とACNUの併用抗腫瘍効果をcolony forming assayを用いて検討した。その結果43℃、1時間及び2時間の温熱単独処理C6細胞では、コントロールに比し、surviving fractionは、それぞれ76%及び28%に減少した。またACNUを最終濃度5μ/mlになるよう培養液に加え、43℃の温熱処理を、1時間及び2時間行ったところ、surviving fractionはそれぞれ55%、19%、また同様温熱処理20μ/mlの場合、3%、0.5%と著明に減少した。このことにより、C6細胞に対する温熱処理は、ACNUの抗腫瘍効果を著しく増強することが判明した。2.イヌ及びサル脳を用いて915MHzMW照射加温実験を行い、同時に2450MHzMW照射による温度分布パターンとも比較検討した。その結果、915MHzMW照射は、2450MHzMW照射に比し、脳加温はより均一で比較的深部への加温も可能なことが判明した。しかしながら今回の915MHzMW照射装置の最大出力(45W)では、30℃の全身低体温下に、37℃以上の脳加温を常時維持することは、脳血流の冷却効果が大きいためきわめて困難なことが判明し、generatorの出力増強の必要性が示唆された。またアンテナ-被照射物体間に酸化アルミニウムを充填することにより、加温効果がair gap例に比し増強することが判明した。さらに全身低体温下(30℃)に5時間のdifferential hypothermia処置を行ったが、処置脳の肉眼的、組織学的検索では、異常所見を認めなかった。3.区別低体温処置の抗腫瘍効果を検討する目的で、Rous Sarcoma Virus誘発サル脳腫瘍モデルを成熟日本ザルを用いて作成した。
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