研究課題/領域番号 |
58060002
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 了 阪大, 蛋白質研究所, 教授 (00029927)
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研究分担者 |
三原 勝芳 九州大学, 医学系研究科分子生命科学専攻, 助教授 (40029963)
今井 嘉郎 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (60029949)
藤井 義明 (財)癌研究会癌研究所, 部長 (00098146)
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研究期間 (年度) |
1983 – 1986
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キーワード | チトクロムP-450 / 分子多様性 / cDNA / 遺伝子発現調節 / 分子進化 / 酵素誘導 |
研究概要 |
肝ミクロゾームには多くの種類のチトクロムP-450が存在し、動物に薬物を投与すると薬物の種類に応じて1種または複数種のP-450が特異的に誘導される。本研究はこの分子多様性の生化学的・遺伝学的基礎を明らかにすることを目的として計画されたものであり、これまでの4年間に次のような成果をあげることができた。まず、薬物未投与および各種薬物を投与したウサギ肝ミクロゾームから合計15種のP-450を精製し、それらの性質を詳細に明らかにした。第2にラット肝およびウサギ肝のP-450のcDNA合計16種類をクローニングし(うち8種は完全長cDNA)、そのヌクレオチド配列を決定し、それに基づいてこれらのP-450の一次構造を演繹した。またウシ副腎皮質ミトコンドリアの2種のP-450の一次構造を明らかにした。これらの結果から動物のP-450遺伝子群は少なくとも5つのグループに分類できること、また各グループはさらにいくつかのサブグループに分けられることがわかった。サブグループの中にも微不均一性を示すものもある。これらのcDNAの一次構造の比較から動物におけるP-450の分子進化についての考察も行った。第3にラットの4種のP-450遺伝子、ウサギの1種のP-450遺伝子およびヒト副腎皮質の2種のP-450(うち1つは偽遺伝子)をクローニングし、それらの構造を解明した。さらにラットのP-450c遺伝子については、5´上流域に3つの異なる発現調節因子が存在すること、またその1つは誘導剤に特異的な発現に関与するエンハンサーであることを明らかにした。最後に、ウサギおよびラットの各1種ずつのP-450cDNAを酵母において発現させることに成功し、これらのP-450は一次構造的に均一であるにもかかわらず、なおかなり広い基質特異性を示すことを明らかにした。
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