(1) ウシ骨格筋のニコチン性アセチルコリン受容体δサブユニットのcDNAを単離し、その塩基配列を決定することにより、このサブユニットの全一次構造を明らかにした。 (2) ウシ骨格筋ニコチン性アセチルコリン受容体の新しいサブユニットをcDNAクローニングにより発見し、εサブユニットと名付け、その全一次構造をcDNAの塩基配列から明らかにした。さらに我々が開発したcDNAの発現系を用いることにより、本サブユニットがシビレエイのアセチルコリン受容体のγサブユニットに代替し機能を有する受容体を形成することを示した。 (3) クローン化したアセチルコリン受容体サブユニットcDNAをsite-directed mutagenesis によって改変し、発現させ、生成した変異受容体の機能を調べることにより、シビレエイアセチルコリン受容体αサブユニットの機能部位を明らかにした。 (4) シビレエイおよびウシアセチルコリン受容体4つのサブユニットcDNAからそれぞれの受容体を発現させ、その機能をsingle-channel recording法で解析することにより両者の受容体イオンチャンネルの平均開口時間に大きな違いのあることを見いだした。さらに両者の雑種受容体をcDNA発現系によって作成し、それらの機能を調べることによりアセチルコリン受容体イオンチャンネルの開閉にδサブユニットが重要な役割を果していることを見い出した。 (5) クローン化した電気ウナギNaチャンネルcDNAをプローブとしラット脳のNaチャンネルcDNAをクローン化することによって、ラット脳には少なくとも3種類のNaチャンネルmRNAが存在することを明らかにするとともに、そのうち2種類のNaチャンネルの全一次構造を cDNAの塩基配列から決定した。
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