この研究は、昭和58年より3年間にわたって行われてきたものである。 近年「太平洋の時代」の到来と言われている。確かに、この地域には先進国・発展途上国とも、ダイナミックな経済が多い。しかし反面それだけに、それらの相互依存・相互交流に際して、種々の摩擦・軋轢も生じやすい。日米貿易摩擦はその典型例であり、日本が途上国に対して行う技術移転にもスムーズには行かない側面が多てある。3年間にわたるこの共同研究は、こうした諸摩擦に焦点を絞り、経済学・経営学の両立場からできるかぎり多面的なアプローチを試みたものである。問題は大きいから、網羅的な分析を行ったとはいいがたいが、予想以上の成果を挙げ得たものと考えている。 具体的には、この3年間原則として毎月1回の定期的な研究会を行ってきたのに加えて、国際経済摩擦をテーマとするシンポジウム及びセミナーを各々2回ずつ開催し、研究分担者の研究報告並びに外部の研究者も数多く招いて互いに活発な意見交換をした。 この研究を進めるに当たり、我々が研究の本拠を名古屋大学経済学部附属経済構造分析資料センターに置いたことは、大きなプラスであった。とりわけ、同センターが国内外から招致した客員研究員との共同研究・討論の成果は、報告書の各研究の随所に有効に生かされている。 昭和61年4月より、同センターは拡充・改組され、経済構造研究センターとして再発足する。我々もこの研究成果を土台にして、想を新たに「太平洋の時代」の研究を21世紀に向けて進める所存である。
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