研究概要 |
1. 塑性変形応力とひずみを独立に制御するため、十字配置の容量16tf,サーボバルブ付きアクチュエータをもつ4軸引張-圧縮材料試験機の仕様を設計し設置した。付属パソコンを用いて、運転・操作の容易化、作動制御、作動状態の目視把握及び精密計測を可能にした。 2. 本機上で制御された静水圧付加下の平面ひずみ冷間圧縮圧接実験を行うための特殊治工具及び静水圧媒体試験装置を設計、設置した。アルミニウム試験片に大ひずみを生じさせるための形状及び接合継手引張強度試験技術も工夫し、実験を行つた。静水圧は変形後期のみに付加されると接合強度を高めるが、変形前期のみ、又は全期に付加されるとかえって強度が落ちるという新事実が見出された。 接合部分縦断面の顕微鏡検査により、接合面の予備処理のワイヤブラシングによって生成した硬化層は高圧下では延性が増してかなり伸びてから切断するため、清浄な母地金属面の露出面積割合が減る一方高圧が 露出面部における接合強度を高めるという相反効果のあることが判明し、上記強度実験結果が説明できた。 3. 異種金属圧接のさい問題となる変形抵抗差にもとずく異常変形又は破断を実験的に研究するため、プラステイシンを主体とするモデル材料を考案した。パルスモータ駆動2軸加圧装置、アクリル樹脂製平面ひずみ側方ならびに前方押出し実験工具を設計、製作し、複合材料流動観測実験を行った。2層の変形抵抗差が大なるほど、硬層の厚さ割合が小なるほど、側方押出しでは硬層素材巾が狭いほど、前方押出しでは減面率が高く、硬層が内側にあるとき、硬層のくびれ、破断が起りやすいことが分ツた。側方押出しについてはスラブ法理論による解析を行つて実験結果と一致する結果を得た。 4. 以上により、接合の場合、軟層に囲まれて圧縮される硬層の破損という新しい破損問題が重要な役割を演ずることが明らかになった。
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