1. 100〜190GHz帯での冷却ダイオードミクサー受信器の改善を行った。 昨年より更に冷却時に安定に動作するように、ミクサーマウント、ダイオードマウントについて構造上改良を行った。 この結果、冷却時の安定性が改善され、現在1年以上にわたって安定に動作している。この受信器は4m短ミリ波望遠鏡に搭載され、広域マッピング観測等に使用されている。 2. 更に低雑音受信器の開発を目指して、現在超伝導素子を使用した受信器の開発を行っている。クライオスタットとしては次の点が要求される。 1)超伝導受信器を2.5Kに冷却 2)液体ヘリウムの保持時間は、1週間程度 3)望遠鏡受信器室に搭載するため、小型化閉サイクル冷凍器(熱輻射シールド用)と液体ヘリウムを利用したクライオスタットを製作した。 (1)ミクサー・ブロック及びホーンは減圧(ポンピング)されたガスで冷却されるため、液体ヘリウムとミクサー・ブロックの間の温度差が存在する。これが0.2Kであり、ミクサーを2.5Kに保つためには50mmHgの圧力が適当であることがわかった。また液体ヘリウムの量に関係なく一定に冷却できるという、このクライオスタットの利点も確認できた。 (2)このクライオスタットの予冷には約24時間を必要とすることがわかった。また77Kシールドは実際には〜170K前後であり、改良を要することがわかった。 (3)2.5Kに減圧している方がヘリウム消費量が小さいことがわかった。(これは、2.5K時の潜熱が大きい等による)
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