1.最近の地上測量機器、電子集積回路、写真測量などの進歩をとり入れた、新しい効率的な工事測量の方法の実用可能なことを示した。工事測量の種類は千差万別であるから、基準点測量、細部測量、写真測量について考察し、なるべく一般的に利用できるシステムを心掛け、必要な補助機器についても設計方針を示した。 2.基準点測量に使用する機器と測量方法 光波測距儀とトランシットが一体となった器械、すなわち、トータルステーションと通称されているものの中で、中〜下級のものを用いればよく、角と距離の両方を測り、その代りに器械設置点数を減ずるシステムを採用すれば、精度は在来の方法に比べて等しいかあるいは良くなること、効率の向上することを示した。このときに使用する補助機器はデータ集録器を特別に作るのがよく、その製作例を示した。このデータ集録器の特徴は、観測が終れば直ちに誤差の検査のできることと、必要な指定事項が完全に記録されることである。 3.地上細部測量の方法と補助機器 上記のトータルステーションを主要器械として用いればよい。データ集録器は異なった機能を持たすべきである。すなわち、設置測量、後方交会法、前方交会法、多数の地形点測量などに便利なようにプログラムを作っておく必要がある。そのためのプログラムの構成方針ならびにプログラムの例を多数示した。なお、光波測距儀用プリズムとしては、求心ポール付きのものあるいは薄形プリズムのものが有用であることも示した。 4.写真測量の利用と計算処理 写真測量結果から自動的に座標を求める方法、大型計算の効率化などについても解決法を示した。 以上によって、新しい方法によって効率化のはかれることを示した。
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