二次元アクリルアミドゲルで分画し単離した動物のリボゾール蛋白から蛋白を抽出して微量のシクエンサーでN末端附近のアミノ酸配列を決定することを試みた。小亜粒子1.8mgを大型の二次元アクリルアミドゲル電気泳動装置で分画したものを、ギ酸で抽出Biogel P-2で精製した21μgを微量のシクエンサーでN末端から32アミノ酸配列を決定しえてS26に対するcDNAのクローンの確認を用いた。 蛋白に特異のcDNAの確認に蛋白のアミノ酸組成も重要である。そこで二次元アクリルアミドゲル電気泳動法で分画したArtemia salinaのリボゾーム蛋白0.1μg-1μgについて水解後、ダブシル誘導体に加え、逆相の高速液体クロマトグラフィーを用いることによってアミノ酸を分離定量してアミノ酸組成を測定した。この際微量定量の為蛋白の試量に外からのアミノ酸の爽雑が問題になるが、蛋白分子篩高速液体クロマトグラフィーで目的を達することができた。この様にしてえたアミノ酸組成をチトクロームC、Artemia salinaのリボゾーム蛋白S6、S8について従来のアミノ酸自動分析計によるものと比較したが、チロシンを除いて極めて近い価をえて信頼できる分析法であることがわかった。従来のものが蛋白30-40μg必要なのに0.1-1μgあれば充分である。 尚アミノ酸組成をリボゾーム蛋白に対するcDNAの同定に使ったものとしてS11、S26、S35aがある。合成ヌクレオチドをプローブにしてcDNAのクローニングは最近多く行われているが、私共は牛のオプシンについての一次構造かつ18塩基のプローブを作成しcDNAをえることができた。これを組み合わせて、(1)二次元アクリルアミドゲルでの蛋白の分離とN末端附近のアミノ酸配列の決定、(2)それを基にした合成ヌクレオチドプローブの作成、(3)蛋白に対するcDNAのクローン化、(4)(1)又はアミノ酸組成からのクローンの確認、(5)クローンのヌクレオチド配列からの蛋白質のアミノ酸配列の推定というシステム化が考えられた。
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