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1985 年度 実績報告書

悪性脳腫瘍の区別低体温療法に用いる極超短波照射装置及び温度測定装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 58870074
研究機関岡山大学

研究代表者

西本 詮  岡山大学, 医, 教授 (50032850)

キーワード温熱療法 / 脳腫瘍 / ACNU / マイクロウエーブ / 温熱化学療法
研究概要

成熟日本ザルの正常脳を用いて、区別低体温処置が抗癌剤(ACNU)の血中及び脳組織内濃度に及ぼす影響について検討した。
方法:(1)コントロール;全身麻酔下、常温下にACNU20mg/body静注投与し、経時的に血液を採取した。(2)区別低体温法;約1週間後に同じサルを用いて、食道温30℃の全身低体温下に、両側開頭術を行い一側脳を、加温温度の設定及び出力の自動制御が可能なマイクロウエーブ照射装置と非接触型アプリケーターを用いて2450MHzマイクロウエーブ照射により加温し、37〜40℃に保持した。ACNUを同様に投与後、脳組織(加温側、非加温側)、血液を経時的に採取した。(3)ACNU濃度の測定:検体を直ちに凍結し、HPLC法によりACNU濃度を測定しpharmacokineticsを解析した。
結果:(1)血中ACNUの半減期は、区別低体温処置によって常温下コントロールに比較して、2倍以上に延長した。(2)脳組織内ACNU濃度の絶対値は加温側、非加温側で大差がなかったがone compartment open modelによる解析では、加温側で半減期の延長が認められた。
結論:区別低体温処置により、全身諸臓器での代謝排泄が遅延するためACNUの血中濃度は常温下に比べて高値に保たれる。さらに加温脳組織では正常体温下に近い速度で代謝分解されるため、両者の併用によって抗腫瘍効果の増強が得られると考えられる。

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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