研究課題
試験研究
1.自動制御が可能な2.45GHzマイクロ波照射装置及び非接触型アプリケーター(昭和52年2月購入)を用いて加温能力を検討した。区別低体温処置(全身30℃の低体温下に、局所脳のみを加温)を正常脳サル10頭に施行した結果、本装置を用いて、直径約4cmの範囲で脳表下10mmの白質を37℃に加温保持することは可能であった。2.区別低体温処置時の生理的指標として、正常脳サル10頭を用いて、水素クリアランス法にて局所脳血流量を脳表下10mmの白質レベルで経時的に反復測定した結果、局所脳を37℃に加温した場合、局所脳血流量は加温前(30℃)の約2倍に増加し、また加温中止後は、ほぼ加温前値に復した。このことから、3〜5時間の本処置では、脳組織は可逆的に生理学的変化を示すことが確認された。3.ウイルス誘発サル脳腫瘍モデル10頭に対して、3〜5時間の区別低体温処置を施行した。follow up CTを施行した5例中3例で腫瘍の縮小が認められたが、1例では3ヵ月後CT上腫瘍の増大が認められた。4.成熟日本ザルの正常脳を用いて、区別低体温処置が抗癌剤(ACNU)の血中及び脳組織内濃度に及ぼす影響について検討した。その結果:(1)血中ACNUの半減期は、区別低体温処置により、常温下コントロールに比較して2倍以上に延長した。(2)脳組織内ACNU濃度の絶対値は加温側、非加温側で大差がなかったがone compartment open modelによる解析では、加温側で半減期の延長が認められた。
すべて その他
すべて 文献書誌 (7件)