昨年度までに一応の完成をみていた増幅器、電気刺激装置、中央処理部を一体としてまとめ、動物実験、ならびに臨床応用を試みた。 増幅器に関しては、その感度、雑音についてはほぼ問題はないと判断されたが、電気メス対策が充分に行われておらずこの点の完全なアイソレーションは困難なものの一層の改善が今後の問題として残されている。動物実験により、中央処理部のソフトの改善案が呈示され、実行された。まず、display上に示される波形はコントロール波と、新しく記録された波形のみとし、一回前の記録は表示しないこととした。これはそれぞれの波形を大きく表示した方が比較観察しやすいということに気がついたからである。さらに振幅があらかじめ登録しておいたパーセントを越えて減少した際に発せられるアラームは、信号記録後にインプットボタンを押し登録するとはじめて警告音が鳴るシステムであったがこれを廃止し、振幅減少が記録されたならば何の操作も必要とせずに警告が発せられるようにした。電気刺激装置に関しては電気メス使用時に刺激電極を介して電流が流れ(ミクロショック)脊髄刺激現象がみとめられたのでこれは刺激ユニットの全配線を高周波分離性の高いものとするなどの対策を行ったが、さらに完全なものとするように検討中である。本年度にて、本機器はほぼ完成に近づき、一応臨床応用も行ったが、これをさらに市販可能なモデルとして完成させるにはさらに検討を行う必要がある。これには電極などの周辺のhardwareの整備も行う必要があるが、完成された時点では使用しやすい機器となることが充分に期待される。
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