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1985 年度 実績報告書

イオン性粒子の溶液中における組織化とゆらぎに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 59065004
研究機関京都大学

研究代表者

伊勢 典夫  京都大学, 工, 教授 (00025868)

キーワード高分子電解質溶液 / 高分子ラテックス / X線小角散乱 / 規則構造形成 / パラクリスタル理論 / 画像処理
研究概要

本年度も引き続き、高分子電解質溶液における規則構造形成のX線小角散乱法(SA×S)による検討、およびラテックス溶液の規則構造、粒子の運動性の光学顕微鏡観察を行い、以下の事が明らかとなった。
1.SA×S測定 【◯!1】高分子イオン間距離(2Dexp)の誘電率(ε)依存性-種々の有機溶媒-水混合溶媒系で、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(NaPSS)に対して測定した。εの減少に伴ない2Dexpは増加した。高分子イオンの解離度の減少に伴なう静電引力の減少と解釈される。【◯!2】性高分子混合効果-NaPSSに対してポリビニルアルコール等を混合した。排除体積効果により、2Dexpは僅かに減少、ピーク強度は増加した。【◯!3】溶液温度依存性-NaPSS、リゾチーム等に対して測定した。溶液温度上昇に伴ない、高分子イオンの熱運動が増加しピーク強度が減少した。【◯!4】理論散乱曲線との比較-実験散乱曲線とパラクリスタル理論曲線を比較した。ラテックス、ミセルからの散乱曲線は、面心立方格子を仮定するとよく再現できた。2.顕微鏡観察 【◯!1】溶液高さ依存性-側面からの観察によると、2Dexpは溶液高さに依存せず一定であったが、クラスターは高いほど小さくなった。【◯!2】溶媒比重依存性-【H_2】O-【D_2】O混合溶媒を用いて検討したが、2Dexpに変化はみられなかった。以上【◯!1】【◯!2】より、重力は2Dexpに影響を与えないことが判明した。【◯!3】電荷密度依存性-粒径の等しいラテックス粒子で検討で検討した所、電荷密度が高い方が静電引力が強く、2Dexpは入さくなった。【◯!4】【~!X】の塩濃度依存性-ランダムに運動する粒子の平均変位【~!X】は、高塩濃度では、Einstein-Stokesの理論値と一致したが、低塩濃度では、静電的相互作用のため理論値より小さくなった。【◯!5】顕微鏡像のフーリエ変換-画像処理システムにより、2次之フーリエ変換を行い、回折パターンを得ることに成功した。回折パターンには、種々の格子欠陥、そして特に、クラスターの大きさが重大な影響を与えることが判明した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Journal of Chemical Physics. 83-1. (1985)

  • [文献書誌] Berichte der Bunsen-Gesellschaft F【u!¨】r physikalische Chemie. 90. (1986)

  • [文献書誌] Langmuir. 1. (1985)

  • [文献書誌] Jourmal of Colloid and Interface Science. 103. (1985)

  • [文献書誌] Journal of American Chemical Society. 107. (1985)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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