研究分担者 |
荒川 清秀 愛知大学, 教養部, 助教授 (00167230)
木村 英樹 神戸大学, 教養部, 助教授 (20153207)
田窪 行則 神戸大学, 教養部, 助教授 (10154957)
杉村 博文 大阪外国語大学, 中国語学科, 助教授 (70108413)
大河内 康憲 大阪外国語大学, 中国語学科, 教授 (50030127)
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研究概要 |
1『漢字の読み分けについて』:「地」「力」「下」など複数の字音(音読み)をもち、且ついずれの字音も使用頻度の高い漢字について、その字音の読み分けの原理を、意味・位置及び造語能力の観点から明らかにした。日本語教育の見地からも極めて有益な成果であり、殊に漢字文化圏の国民である中国人の日本語学習者に対する日本語教育に資するものが大きい。 2『日本語と中国語の同形語(1)ー形容動詞ー』:日本語と中国語の双方で同じ漢字によって表記される語を「日中同形語」と呼んでいる。中国人に対する日本語教育という立場から見て最も卑近な干渉の起る分野であるが、本研究は、使用頻度の高い日本語の漢語形容動詞50種とその同形語にあたる中国語の単語50種を取り上げ、豊富な用例をもとに、互いの意味と用法のズレを整理、分析し、同時に双方の同形語全般に見られる一般的・普遍的な意味的性格の対立を明らかにした。 3「-者,-家」などの漢語系接辞に関する研究:「-者,-家」「-性,-式,-風」「-場,-所」など類義的な漢語系接辞について、中国語との対照を交えつつ、それぞれの意味・機能及び造語能力を分析した。 4「『熱帯』について」:従来その起源が日本語であるとされてきた「熱帯」という語について、それが中国語を起源とするものであることを、その語の語構成的な性格や"熱"の意味的性格を根拠に主張し、さらに豊富な史的資料や文献からそのことを実証した。
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