研究課題/領域番号 |
59340049
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物形態・分類学
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
浦野 明央 埼大, 理学部, 助教授 (00142232)
|
研究分担者 |
菊山 栄 早稲田大学, 教育学部, 教授 (20063638)
片桐 千明 北海道大学, 理学部, 教授 (90000827)
小黒 千足 富山大学, 理学部, 教授 (40018974)
上田 一夫 東京大学, 理学部, 教授 (60011441)
岩沢 久彰 新潟大学, 理学部, 教授 (60018249)
|
研究期間 (年度) |
1984 – 1986
|
キーワード | ヒキガエル / 生殖 / 生殖腺 / 輸卵管 / 内分泌系 / 神経系 / 生殖行動 |
研究概要 |
形態学的知見:生殖腺原基髄質の形成様式を明確にした。また、ビダー氏器官では髄質ができないために、卵が発達することを示した。 内分泌学的知見:プロラクチンおよびゴナドトロピンを精製しRIA系を確立した。幼生では変態最盛期に血中プロラクチン量が増加する。成体では繁殖期のそれも水の中に入った直後に血中量が急上昇する。このことから、ヒキガエルでは、プロラクチンが水への移動を引き起こしている要因ではないことが明確になった。これに対し、血中甲状腺ホルモン量は池に移動するしばらく前から高まるという結果が得られた。ゴナドトロピンの血中量は生殖腺の活動とよく対応のとれた年周変動を示した。 行動生態:日本国内各地におけるヒキガエルの繁殖行動を比較し、冬眠が繁殖活動のために必要なものではないことを明らかにした。繁殖活動開始の要因は関東地方では湿度よりはむしろ温度であると考えられる。ヒキガエルは夏の活動期の行動域で冬眠し繁殖池まで移動するが、その後の休止期には池の近くの地中で'春眠'している。 神経行動学:生殖行動の引金中枢と考えられている視索前核前部(APON)のニューロンのなかに、LHRH,TRH,あるいはバソトシンに反応して興奮するものがあった。一方、延髄にある喉頭筋運動ニューロンは解放コール時の筋電図に同期した活動を示すことが明らかになった。 発生生理化学:輪卵管直部の分泌顆粒に含まれるカルシウム依存性のトリプシン型プロテアーゼを精製した。精子からもカルシウム依存性に卵膜を加水分解するプロテアーゼが得られた。 本研究の行動に関する部分の成果を踏まえ、下等脊椎動物の行動に関する研究グループが組織された。総合研究Aとして62年度以降の補助金を申請中である。
|