研究課題/領域番号 |
59340054
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
鉱物学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
蟹沢 聡史 東北大, 教養部, 教授 (70005784)
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研究分担者 |
石川 賢一 東北大学, 教養部, 助手 (20158744)
根建 心具 鹿児島大学, 教養部, 教授 (10107849)
永広 昌之 東北大学, 教養部, 助教授 (10124554)
大上 和良 岩手大学, 工学部, 助教授 (60003878)
大貫 仁 弘前大学, 理学部, 教授 (00004317)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | 東北日本 / 深成岩 / 白亜紀火成活動 / 花崗岩類 / 北上山地と阿武隈山地 / 造岩鉱物 / マグマの成因 |
研究概要 |
東北日本は典型的な島弧で、北上・阿武隈両山地には先シルル系基盤から新生界までの広範な地層と各種の深成岩類が分布し、飯豊・朝日山地や脊梁山地でも第三系の基盤として、各種の深成岩類がみられる。これらの活動は、主として白亜紀のものであるが、古期岩類も発達する。南部北上山地および「早池峰構造帯」における最新の基盤情報は東北日本弧の発達に関する考え方に重要な影響をもたらす。また、北上山地の白亜紀深成岩類は、各岩体が独立して貫入しており、ひとつの深成岩マグマの分化作用を知るのに適当な場所であり、姫神・遠野・折壁・赤金などの岩体について、構造、主成分・微量元素および造岩鉱物組成などの成果が報告された。また、遠野接触変成帯と領家変成帯との性格の比較検討がなされた。阿武隈山地における古期岩類の存在については種々の議論があり、全域にわたる深成岩類の性格づけも不十分であった。今回、北部阿武隈山地の花崗岩類のSr同位体比が初めて測定され、狭い地域内に於て明らかに異なる初生値をもった2種類の花崗岩類が区別された。また、馬頭斑れい岩の組成変化や、造岩鉱物の変化から、この地域の斑れい岩類の特徴が明らかになった。飯豊・朝日山地の花崗岩類の性質は、東北日本の境界問題で重要な位置を占めるところである。含ざくろ石花崗岩類が朝日山地西方で見いだされ、さらに山形県関根地域の脊梁花崗岩類の性格が明らかにされた。青森・秋田県境の特殊な鉱物組合せを持つ、2つの苦鉄質岩類の存在が判明した。また、脊梁山地における新生代の完晶質岩と火山岩類との成因的関係については、鬼首地域の第三紀花崗岩類の組成変化や角閃石の性格が先第三紀のそれと異なることが指摘された。また、第四紀の火山岩に関係した異常に【K_2】Oに乏しい完晶質岩の成因が論じられた。この外、日高変成帯の花崗岩類の組成変化、北上山地花崗岩類中のハロゲンの挙動、北上山地における古第三紀火山岩類の特徴などの問題も取り上げられた。
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