研究課題
総合研究(A)
本総合研究は、昭和59〜61年度の3ケ年にわたり、全国に散在するプラズマプロセシング研究者と、技術面に携わる装置工学の研究者との情報交換や研究協力を推進させ、非平衡プラズマを用いた各種材料プロセス過程を、気体電子工学的・装置工学的に研究し、またこの学際的分野の進展を図った。初年度である昭和59年度は、専ら次年度以降の研究をスムースに進めるために班員を3グループ化し、問題点の把握、および3年間の研究方針を設定した。昭和60年度には、前年度に整備した実験装置を活用して研究の進展をはかり、昭和61年度には、過去2年間の研究の整理と残された諸点の補足的解決を行った。その上3ケ年にわたった研究成果を成果報告書としてまとめ上げた。以下、3グループのメーンテーマ毎に、主な研究成果を述べる。(I)非平衡プラズマにおける原子・分子反応‥‥原子・分子素過程に関する研究は周辺学者との学際的協力により進めた。薄膜の形成過程を、反応素過程のデータを用いて計算機シミュレーションにより、物理・化学的に解明した。(II)プラズマプロセスに用いるプラズマ‥‥平行平板電極配置におけるr.f.放電の構造を探針などの診断法により明らかにした。浮遊電極及び外部磁場を印加したホロー陰極放電プラズマ源を開発し、高密度プラズマを得た。(III)プラズマプロセスの診断‥‥反応性プラズマ中で、堆積の影響を防ぐために、加熱型探針を用いる方式を提案し、シランプラズマ中で測定した。関数近似により、探針特性のスムース化を行い、エネルギ分布を精密に測定できた。負イオンの計測に、探針法と音波法を用いた。PIG放電を利用したシランプラズマの癈ガス処理法が提案され、有効な成果を得た。更にもう一つの収獲は、プラズマプロセシング研究会のメンバーを広範囲に拡大することができたことと、組織的運営ができるように3年間にその基盤を確立した事もあげられる。
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