研究分担者 |
田中 典幸 佐賀大学, 農学部, 教授 (20039316)
渡辺 和之 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10143190)
長南 信雄 茨城大学, 農学部, 教授 (90005603)
菅 洋 東北大学, 農学研究所, 教授 (00124587)
石原 邦 東京農工大学, 農学部, 教授 (70014925)
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研究概要 |
本研究は、専門分野を異にする作物研究者が結集し、環境ストレス下に生育する作物について、諸器官相互あるいは地上部と地下部の相互関係を追究したものである。イネを初めとして多くの作物を対象とし、湿度,日射,水分,養分等にかかわる各種の環境ストレス処理のもとに実験が行われ、生理生態学的ならびに組織形態学的視点から解析が加えられた。 1・研究の第1段階では、当研究で必要とされる多くの実験手法の開発が試みられた。新たに利用に供されるようになった手法として、根の伸長方向,根長密度,根量制限等に関する測定・実験手法,根の呼吸量の簡易測定法などがあげられる。 2.以上の手法をも駆使しながら、第2段階では当初の目的に沿った研究が展開され、以下に記されるような新知見が得られた。 (1)生育初期の土壌乾燥は、地下部の発育を促進し、耐乾性を増加させる。 (2)深く張る根は、地上部の生育,収量に有効に働く。 (3)光合成速度の増進は、根の呼吸を高め、根の活力の増大に寄与する。 (4)根量および根の活力は、地上部諸器官の生育に大きな影響を及ぼし、収量の確保に寄与する。 (5)根で生産される植物ホルモンは地上部の生育促進ならびに葉の老化防止に大きな役割を果たす。 (6)以上諸関係の現われ方は、作物種あるいは品種により異なる。 3.以上の諸成果は、作物体を統合された総体として理解し、その形態と機能という最も困難な問題の解明に向けて、新たな道を拓り開いたものであり、今後、この方向に沿って、より充実した研究の展開が期待される。
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