研究分担者 |
石川 烈 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10014151)
加藤 伊八 長崎大学, 歯学部, 教授 (30005087)
岡本 莫 広島大学, 歯学部, 教授 (50028742)
池田 克己 城西歯科大学, 教授 (50049350)
青野 正男 九州大学, 歯学部, 教授 (70037498)
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研究概要 |
59年度の広島における中学、高校生の歯周疾患の調査で5%の者に歯周ポケット(4mm以上)を認めた。これは歯周疾患は高齢者ばかりではなく若年層にも発生していることが判明した。61年度には中学生9054人、52024歯を対象に第一次及び第2次検診を行った結果歯周ポケット4mm以上を示す歯数は4-19歯の範囲にあり、一度以上の骨吸収を示す歯周炎歯が3歯以上認められ、血液検査所見は1人がASLO陽性を示した以外はほぼ正常であった。以上により若年性歯周炎の疑いのもたれるものは9054人中8名であり0.13%であった。59年度は長崎の無歯科医小離島江ノ島の調査を行い、61年度は同県の無歯科医小離島の平島の住民を対象に歯周疾患の検診を行い比較検討し、次の結論を得た。1,喪失歯数は、女性では20歳以降、男性では40歳以降で増齢と共に増加し、全国平均を大きく上回っていた。2,GI値は増齢と共に増加し、特に40歳代以降の女性に高かった。5,PDは低年齢層に比べ高年齢層に高かった。大学附属病院外来患者の調査によると、歯周ポケットの深さは増齢とともに増加し、それに伴い歯槽骨の吸収も進行すること歯の動揺は50代に多く、歯肉溝よりの浸出液量は30代に多かった。Ortho-bantomographyによる調査では解剖学的歯頸部から下顎下縁までの距離は30歳末満の群より50歳以上群の方が有意に大であった。WHOのCPITNを用いた調査によると、都内某銀行職員でまったく歯周疾患のないものは6.8%であったのに反し、初期歯周治療を必要とするものは79.5%、高度な歯周治療を要するものは8.3%もあり、高齢者ほど多くなる傾向があった。女子中学生においては有病者は学年が進行するにつれ増加する傾向にあり、健康なものは16.1%であるのに反し、TN【II】は63.1%、TN【III】は1.1%であった。40歳以上になるとCPITNに含まれていない歯周処置を要する症例が30〜45%もあったことも注目される。
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