研究課題/領域番号 |
59400002
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
舟久保 煕康 東大, 工学部, 教授 (10010688)
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研究分担者 |
米田 隆志 東京大学, 工学部, 講師 (10175010)
三島 済一 東京大学, 医学部, 教授 (60009917)
野村 恭也 東京大学, 医学部, 教授 (30009948)
黒川 高秀 東京大学, 医学部, 教授 (90010298)
土肥 健純 東京大学, 工学部, 助教授 (40130299)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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キーワード | マイクロサージェリ / ロボット / 角膜移植 / 医用工学 |
研究概要 |
多岐にわたるマイクロサージェリ分野の中から、本研究においては角膜移植手術に焦点を紋り、角膜切除を自動的に行うマイクロロボットシステムの開発を行った。 当初、1号機として任意の位置へ床面上を移動させ、半自動で角膜切削を行うスタンド型のシステムを開発したが、操作性・精度に問題があり、また切削のためのアクチュエータにエアーモータを用いたところトルク不足であることが犬眼による実験により明らかとなった。この結果を基に、2号機として五節リンクを用いた卓上型の腕部と、駆動系を1ケ所に集中させ切削作業性を考慮した角膜切除部とから構成されるコンパクトなマイクロロボットシステムを開発した。腕部にはモータが配置され、コンピュータからの指令により眼球上の任意の位置へ角膜切除部を位置決めすることが可能であり、角膜切削部には、微小位置決め機構、モータ駆動による切削機構、角膜吸着機構等が組み込まれ、マイクロコンピュータを用いて制御することにより、1号機で問題となった操作性等の問題点を解決した。 さらに機能向上のために、画像処理による自動位置決め手法も開発した。これは、角膜切除部先端に取りつけた内視鏡から得られる画像から、眼球の中心を自動的に計測し、位置決めするもので、このことにより、角膜切除をほぼ自動的に行うマイクロロボットシステムを実現した。 これまで人手に頼っていたマイクロサージェリ分野にロボットを導入する試みを初めて行い、仕様をほぼ満足するシステムが実現され、またシステム開発に必要な多くの基礎技術を習得することができた。今後は、他の手術分野に用いるマイクロロボットシステムの開発を目指す。
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